ウエスタン・リーグ閉幕 若鯉飛躍のシーズン
2020年11月06日
プロ野球は、いよいよ終盤を迎えた。ウエスタン・リーグが1日、全日程を終了した。広島東洋カープは、最終戦で中日ドラゴンズと由宇練習場で対戦し、5―5の引き分け。結果、30勝42敗4分で全5チーム中4位に終わった。最終戦では、地元廿日市市出身の中村奨成が2番捕手で先発出場した。1回裏には1番小園海斗の内野安打に続き、左中間への二塁打でチャンスを広げた。4番正隨優弥が2点本塁打を放つなど3点を先制。一度は5点を奪われ逆転されるも同点に追いつき引き分けで、今季を終えた。
「一年間、けがなく過ごせたのが良かった」と振り返る中村。今年は、飛躍を果たした一年となった。ウエスタンでは序盤、一時、3割を越し首位打者に立ち、7月には1軍初昇格した。だが、代打で4打席無安打。2軍に降格し、9月に再昇格したが、出場機会のないまま出場選手登録を抹消された。プロ初安打は持ち越されたが、今季の最低限の目標をクリアし「今年は1軍に出場でき、来年につながる一年だった。いい経験をさせてもらった。来年へのモチベーションが違う」と話す。
「技術的にはしっかりとキャッチャーとしての仕事ができたと思う。守りの方は徐々に良くなっている」と手応えを感じている。打撃面は、ウエスタンでは55試合に出場し2割4分4厘1本塁打14打点。「調子の波があるので、波を小さくし継続できるかが秘訣になる」と課題を話す。
一昨年のドラフト1位の小園は、最終戦で3安打を放ち76安打でリーグ最多安打のタイトルを取った。昨年は、1軍で58試合に出場したが、今季は開幕から2軍生活が続き、10月に今季初昇格。「1軍で活躍できず悔しかった。力不足」と言う。ウエスタンで一時期、打率が1割台まで落ち込んだが、持ち直しリーグ2位の3割5厘の好成績を残した。「それを来年、1軍でもできるようにしたい。ここまで持ってくれたのは自分の成長につながると思う」と来季への巻き返しを誓う。
水本勝己2軍監督は「1軍と同じでカープ全体の課題でもある打高投低だった。野手は1軍に上がって初安打や初本塁打が出たし、多くの若手がいい経験をできた。投手の部分で1軍を助けることができなかった後悔の年」と今季を振り返る。9月には、13連敗を喫したこともあった。「ファームは勝ち負けも大事だが、もう1つの目的はいかに選手が力を付けるか」。塹江敦哉・ケムナ誠両投手は、昨年、2軍が中心だったが、今季は1軍で中継ぎとして欠かせない存在として台頭したことを上げた。
8日(日)からは、教育リーグの「みやざきフェニックス・リーグ」が始まる。