春は乾燥の季節。とはいっても、すべての物が乾燥するわけではない。水温み、草木も芽を張り、瑞瑞しさを増してくる頃でもある。むしろ、しっとりとした潤いを感じるほうが強いかもしれない。なのに何故、春は乾燥の季節と言われるのであろうか。
空を見上げると、青空もなんとなく白っぽく見えることが多い。遠くの景色も霞んで見える。原因は一つではないが、空に舞い上がった砂や埃が原因であることは言える。春になると、日差しも強くなり、地面が暖められる。地面が暖められると、上昇気流が起こり、対流が盛んになる。対流が活発になると、強い風が吹きやすくなり、地上の砂埃や塵が上空に巻き上げられる。そのため、ぼんやりした空になるのである。まさに春霞である。
春の風物詩の一つである黄砂も、乾燥した中国大陸奥地で吹き上げられた細かな砂が、上空の強い西風に乗って日本まで運ばれたものである。空が黄色っぽくなり、視程が極めて悪くなることがある。これは、日本に限らず地球上の広い範囲に影響を与えているようである。
この様に乾燥が原因と考えられる現象が多くある。しかし、「春に三日の晴れなし」といわれるように、意外と晴れの日は続かず、雨もよく降るのである。平年の降水量を見ても、秋(9月から11月)よりも春(3月から4月)のほうが多い。この様に秋よりも雨の多い春ではあるが、最小湿度の記録を見ると、春がほとんどである。
湿度にはいくつかの尺度があるが、一般には、空気の湿り具合を表す相対湿度をいう。空気中には、幾ばくかの水蒸気が含まれている。
空気中に含むことのできる水蒸気の量には限度があり、温度によってその量は変わる。温度(気温)が高いほどたくさんの水蒸気を含むことができる。相対湿度というのは、その温度において含む事ができる限度(飽和水蒸気量という)に対して、今含まれている水蒸気の量の百分比である。つまり、空気を暖めてやると、空気が入れ替わらない限り相対湿度は低くなる。
春は、大陸から比較的乾燥した空気がやってきて気温も低い。晴れると日中は気温が上がる。元々水蒸気の量の少ない空気が暖かくなると、湿度は急速に下がる。一日を通して湿度が低いわけではないが、日中、極端に湿度が低くなる事が起こるのである。
からからの空に潤い木の芽かな 気水
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