WEBタイムス 平成16年(2004年)8月27日835号
 地元行政

合併相手は廿日市市  正式に協議申し入れ  宮島町の住民投票結果

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熱を込め、町内の観光活性化などの持論を展開する佐々木町長
 
 【宮島町】佐伯郡宮島町の合併相手をめぐり広島市か廿日市市かを問う住民投票が二十二日(日)、あった。投票率九〇・五二%の高い関心の中、開票の結果、廿日市市が得票率五六・三三%に当たる九百十七票で、同じく広島市の四三・六七%の七百十一票を二百六票上回った。宮島町民は、歴史的なつながり・日常生活圏の対岸の廿日市市と合併することに賛成した。結果を踏まえ、同町は二十五日(水)、廿日市市へ合併協議を申し入れた。昨年八月に廿日市市・大野町との四回目の合併協議準備会を途中退席して以来、廿日市市との合併に向け止まっていた“時計の針”が再び動き始めた。
 開票当日。廿日市市派の町民ら約百人が集まった会場では歓声が鳴り響き、喜びに沸いた。岩村隆文議長は「宮島町民が廿日市市との合併が自然の合併ということを表現した」。今後、廿日市市との合併協議については、「全力を挙げて宮島のためにも、新しい市のためにも宮島自身が新しい町づくりのために廿日市市へ貢献する努力をしないといけない。町執行部と町民らと協力しながら、あるべき宮島の姿を求めていきたい」と言葉に熱を込めた。
 今年四月に住民投票条例制定を直接請求した「宮島・幸せを求める会」の宮郷武会長は「町民が常識のある判断をした。勝った負けたではなくようやく原点に戻れた」と時折笑顔を見せた。
 一方の、広島市派の住民百人ほどが集まる会場では落胆の表情が浮かんでいた。一昨年六月、小田和宣前町長と同町議会に、広島市との合併検討の請願書と同市との合併に賛成する町民の署名簿を提出するなど住民運動を繰り広げてきた「広島市との合併に賛同する宮島町民の会」。住民投票でもビラを配るなどしてきた武内恒則代表は「住民投票は住民の民意を行政に反映させる。宮島町民が廿日市市を選択したのでこれに従う以外はない。決まった以上は反対する理由もない」と話す。続けて「宮島の将来の発展のためにも町民が一丸とならないといけない。廿日市市に決まった以上は、宮島町のまちづくり、発展のためにも協力していく。しこりやわだかまりはない」と強調した。同会については「使命は終わった」と解散する方向で検討するという。
 海を隔てた宮島の玄関口、大野町宮島口でも“対岸の火事”といかず、行方を見守っていた。当初広島市に合併となった場合に、駐車場や港湾整備などを不安視していた宮島口商店会岩村孝会長。「宮島とは切っても切り離せないので心配していた。観光は、宮島と一体となってやっていかないといけない。この結果にもちろん歓迎したい。同じ行政区になればお互いさらに話がしやすくなる」とほっとした様子だった。
 投票率は、昨年五月の町議員選挙(九〇・八三%)を〇・三一ポイント下回り、同八月の町長選挙(八九・七八%)を〇・七四ポイント上回った。十二票のきん差で広島市との合併を掲げた佐々木雄三現町長が初当選を果たした昨年八月上旬の町長選挙から一年。結果的には、同年四月下旬の町議会議員選挙に立ち戻った形になった。町議選では、廿日市市派が得票数九百五票、広島市派は七百四十三票で、廿日市市派は全投票数の約五五%を占めた。住民投票では、広島市の賛成票は約四三・五%にとどまっていた。
 申し入れでは、両市町の首長や教育長、正副議長などが出席。佐々木町長が、協議会設置の申入書を読み上げ、山下三郎廿日市市長に手渡した。終了後、山下市長は「世界文化遺産・世界に誇れる宮島町を素晴らしいものにしていくための責任の重大さを痛感している」。佐々木町長は「廿日市市とともに、宮島町をいかに世界に誇れるまちにしていくかが私の課題。世界に向け、廿日市市の中に宮島ありというのを進めたい」と肩を並べ抱負を述べた。今後は、現在進んでいる大野町の法定協議会とは別に、準備会で枠組みを決めた後、任意協議会は設置せず、法定協を発足するという。
 二〇〇一(平成十三)年に合併を表明して以来、約三年間にわたり広島市か廿日市市か、島を二分する形で揺れてきた合併論争。住民投票で一応の答えが出た。今後、懸念されるのが両派のしこり。だが、合併議論を交わす中で、目指す方向は違えど、両派とも根底にあったのが、宮島の将来像を考え、「宮島を守っていこう」という共通の思いだ。合併特例法の期限まで時間は少ない。現在、廿日市市と大野町では合併建設計画の基本的な考え方に「連携・交流・融合」を挙げている。宮島町内でも、今後両派が、同計画の考え方同様、将来のまちづくりに向け推進することが重要になってくるだろう。
 住民投票の結果に対する各市町長のコメントは次の通り。
 秋葉忠利広島市長…今回の宮島町民の意志を尊重したい。観光振興策などについては、引き続き、連携を深めたい
 山下三郎廿日市市長…県西部地域の一体的なまちづくりに、宮島町が参加するのは地域全体にとって大きな意義があり、住民生活面でのつながりからも、自然の流れの中で、将来のまちづくりを進めることができると思っている。期限は限られているが実のある合併協議ができると思う
 笠井久雄大野町長…合併の枠組みは当初から西部一帯の発展ということで掲げており、宮島は欠かせない。宮島町の方針が途中で変わり、空白期間はあったが、以前協議をしていた経緯がありその点は埋めることができるはず。大野と宮島は廿日市以上に歴史的つながりがある。宮島町と廿日市市の協議を喜んで歓迎したい

宮島町の合併先を問う住民投票
  
当日資格者数(人)7841,0201,804
投票者数(人)7179161,633
投票率(%)91.4589.8090.52


宮島町住民投票 地域別投票率
投票所 投票資格者数
(H16.8.22)
投票数投票率(%)
宮島町役場33125577.04
44333675.85
77459176.36
西連集会所27522481.45
39030778.72
66553179.85
杉之浦公民館17814782.58
18714979.68
36529681.10
期日前 91 
124
215
総合計78471791.45
1,02091689.80
1,8041,63390.52


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