陛下の即位祝い能や狂言を披露 廿日市市の嚴島神社で
2019年11月22日
【廿日市市宮島】廿日市市宮島町の世界文化遺産・嚴島神社の能舞台で18日、新陛下即位を記念した「御大典奉祝能」が執り行われた。祝いのときに舞うという能と狂言が披露され、能楽師の舞や所作に観覧者や居合わせた観光客らが見惚れた。
半能の曲目「高砂」のあと、狂言の「末広かり」が演じられた。「末広かり」は「先にゆくほど運が開ける様子」を意味し、祝言の代表曲という。主人から都で末広(扇)を買ってくるよう命じられた家来が、間違えて古い傘を買ってくる内容。末広がりを探す家来と傘を末広(扇)と称して売る詐欺師、傘を持ち帰った家来と主人のやり取りが滑稽で、観客から笑いが起こっていた。
最後は、能の「猩々(しょうじょう)」。赤い髪と面を付けた能楽師がお囃子に合わせて舞い納めた。
同市阿品から来た50歳代の女性は「厳かな雰囲気と日本人らしいわびさびを感じた。おめでたい能を見ることができ良かった」と目を細めていた。