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宮島や周辺の様子がくっきり嚴島図会 広島工業大今川准教授「当時を知る貴重な資料」

2019年11月22日
 【佐伯区】「非常に保存状態が良い」─。「宮島名所図会」と書かれた青い和紙の表紙をめくるのは、学校法人鶴学園広島工業大学(広島市佐伯区三宅2丁目)の今川朱美准教授。学生の卒業研究に役立てようと東京都の古書店から取り寄せた「芸州嚴島図会」が、「版画の状態もすごく良い。資料的価値は高いと思う」と言う。手にした古書の“逸品”に目を細める。
 今川准教授は、同大学の工学部環境土木学科に所属。シビックデザインや都市地域計画を専門に、景観分析など研究している。
 「芸州嚴島図会」は、廿日市市宮島町の嚴島神社を中心とする名所図会。「嚴島図会」5巻と「嚴島宝物図会」5巻の計10巻から成る。最終巻は1842(天保13)年に出版され、当時の島内、周辺の地域、人々の様子や世俗が豊富な挿絵で細やかに描かれている。 今川准教授の持つ全10巻は、表紙のタイトル「芸州嚴島図会」の部分が「宮島名所図会」に張り替えられているそうだ。理由は不明。だが、「本の中身や版画は、国立国会図書館(東京都)のものと全く一緒。内容も間違いない」と確信する。同図書館に保管されているものは虫食いによる穴がページの所々に空いているというが、手元の10冊は全ページきれいな状態。出版当時の版木の印刷は、刷れば刷るほど木の角が落ちてくるが、当の10冊はその摩耗が少なく、薄墨を使った2色刷りも色がくっきり出ている。
 今川准教授は「昔の人は今と違う感覚で景観を楽しんでいた。それを工学的な興味から分析していきたい」と言う。本の一般公開の有無は未定だが「当時の宮島やその周辺の地域のことを知る貴重な資料だと思う。たくさんの人に本の存在を知ってほしい」と話していた。
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