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シャッター切り床に穴開け 旧大野支所で実践型の訓練 廿日市市消防本部

2018年10月12日

煙の中から救出した人を運び出す隊員ら。階段を慎重に降りる

大型油圧救助器具で扉をこじ開けた

シャッターに切り込みを入れる。障害物の構造を知ることも大切だ

現場に入る前に扇状に放水し排煙した
ハンマードリルを操作しコンクリート壁に穴を開けていく

作業を終え汗だくの隊員。集中力と体力が不可欠だ
 【廿日市市大野】廿日市市消防本部(同市串戸1丁目)が1日、取り壊しの決まっている同市役所旧大野支所(同市大野1丁目)で救助活動訓練をした。建造物を使った同訓練は、2014(平成26)年、大野学園新校舎が完成したときに、旧校舎で実施して以来。隊員らは普段の本部内の訓練より実践に近い環境下で火災や地震など災害時を想定し、仲間の動きや資器材の使い方を確認した。
災害に備え若手の経験積む場に
 隊員24人が参加し第1小隊と第2小隊に分かれて訓練した。第1小隊は、エレベーターの中に閉じ込められている救助者がいると設定し、若手隊員らを中心に大型油圧救助器具などで扉をこじ開けたり、はしごを使ってエレベーター上部に降りたりした。互いに声を掛け合い、一連の動きを確かめた。
 次は、中2階休憩室に発煙筒で煙を充満させ、中に要救助者がいる火災現場を想定した。事前に室内環境が分からない中で救助にあたる状況は本番さながら。空気ボンベを背負った3人の隊員は身を低くし、煙で視界の奪われた室内に入った。数分後、消火し救助者を運び出した。訓練を終え、ヘルメットを外した隊員らは汗だくのまま、すぐに反省点を確認し合っていた。
 第2小隊は、地下室を使った消火救助訓練。火元に見立てた発煙筒の煙が真っ暗の地下室に充満した。小隊は、消火用ホースを延ばし、出入り口ドア前で侵入に備えた。
 まず、手の甲をドアにそっと当てて、熱さをチェックした。ドアを一瞬で大きく開口すると、室内に急激に酸素が流れ込み、くすぶっていた火が一度に爆発する「バックドラフト」現象を警戒しなければならない。ドアを空ける際には、片足のかかとを地面に着け、つま先でドアの下端を押さえるよう、先輩隊員が若手にアドバイスした。
 ドアを開いてもすぐには侵入できない。室内に充満している煙、有毒ガスを扇状に広げる放水技術を使って室外に排煙してみせた。
 続いて別の班が同様に取り組む。若手は一つ一つの作業に時間を要する様子。課題が見つかった。
避難の通路作りブリーチングも 
次に、建物内の防火シャッターや防火扉を破壊して救助や避難のための通路作り。エンジンカッターを使って、シャッターに切れ込みを入れる。「四角い穴を空ける必要はない。縦に1本大きく切れ込みを入れればシャッターを1枚ずつ横に引っこ抜くことができる」。一瞬の判断、素早く正確な動きが要求される救助活動。ベテラン隊員が、建物やドアの構造、作業に使用する器具や装置の使い方などを学んでおく必要性を説明した。
 チャレンジする若手隊員たち。エンジンカッターの重量や振動、刃の滑りなど思い通り切れ込みを入れる難しさ、こつを身を持って理解した。
 指導したベテラン署員の一人は、防火意識の向上や防火防災建物やシステムの進歩を感謝する。一方で、若手署員が実際に経験を積む現場が少なくなっていることを気にする。「話やデータだけでは伝わりにくいことも多い。場数を踏んで、身を持って力を着けていくことが現場で要求される」と、今回の訓練の重要さを実感した様子。解体予定の建物を提供してくれた市の協力に感謝していた。
 震災などで倒壊した建物への進入、退出路を確保するため壁や床などに効率的に穴を開けるブリーチング訓練は、3階の大会議室を使った。普段はコンクリートブロックで訓練しており、建物でのブリーチングはほとんどの隊員が初めてという。
 重さ30㎏近くあるというエンジンカッターを、腰を落としてしっかり抱える隊員たち。「アクセルをかけた状態で刃をコンクリートに入れたり出したりするように」と、指導員の指示を聞きながら操作した。時折、汗で曇るゴーグルを拭き、全員で交代しながら削岩機やハンマードリルで穴を掘っていった。
 同訓練責任者の荒井政信第2小隊長は「机上での学習はしているが、工作機械を使って実際に床や壁を壊したことのない若い隊員にとって良い訓練になった。直下型地震に備えて、これからも訓練に励む」と話していた。
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