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九十三年間の歩み一冊に 廿日市市の小村幸友さん 親への思い、妻との記憶、感謝つづる

2018年07月13日

出来上がった自分史に過ぎた日々を思い出す小村さん
 「わが来し方を思う」。大正、昭和、平成を歩んできた廿日市市の小村幸友さん(93)が自分史の題名に選んだ。「好きな道に進み、やりたいことをやってきたんだと思う」と、九十三年間を書き下ろした1冊を開き、過ぎた日々へ思いを馳せる。
 大阪府で鉄工所を営む家の三兄妹の長男に生まれた。父の意向に沿うよう大阪市都島工業学校に入学したが、進学する先輩らに感化され、大阪高等学校理科乙類を経て大阪帝国大学(現・大阪大学)理学部化学科へ進んだ。「家業を継いでほしいという親父の思いに反し、随分親不孝な選択をした」とページをめくる。大卒後は、大阪大学副手や大阪市立大学助教授、広島大学名誉教授、広島工業大学教授などを歴任。磁石や鉄鋼などの金属材料に関する研究に没頭し、学生教育に力を注いだ。
 「当時は家にいることが少なかった。定年後は罪滅ぼしに家内と海外旅行によく行った」。掲載した夫婦の記念写真を眺め思い返す。妻・祐子さんと新婚時代を過ごしたアメリカを再訪し、世話になった教授や親友と会い、行けずじまいだったディズニーランドに立ち寄った。ヨーロッパや東南アジアにも行き、2人の思い出を育んだ。自宅に飾ってある各地のスーベニア・スプーンに目を向け「その頃ははやっていたから2人でよく集めた」と懐かしむ。
 二十四年前の平成6年6月、祐子さんが逝去。亡くなる前年に祐子さんの誘いで出演したRCC放送の年末合唱には、今も毎年参加していると言う。「長女と長男と参加し大方二十年になる。歌うことの魅力もあるが、家内の追悼みたいなもので。息子がわざわざ大阪から帰って参加するのもしのんでのことだと思う」と話す。
 研究に関しては、広島大学名誉教授定年時に退官記念誌にまとめた。「姉妹冊子として」私的な自分史の制作を決めた。アルバムをひっくり返し写真とともに記憶をたどった。人生の出来事を文字に置き換え、白黒とカラー写真を文章に沿えた。定年後に始めた水彩画の作品なども掲載した。最後のあとがきには、今まで世話になった人の名を並べ、感謝の言葉をつづった。
 B5サイズの冊子は173ページに及んだ。「自分史が自慢史になってなければよいが」と、受け手の気持ちを想像し、完成した冊子を読み返す。
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